デカメロン(1349-1351)よりナスタジオ・デッリ・オネスティ
ジョバンニ ボッカッチョ (1313- 1375) 作
ボッカッチョは“Volgare*” と呼ばれた1300年代のイタリア語でデカメロンを書き上げました。ここでは、イタリア語中級レベルのみなさん向けに現代イタリア語で要約したデカメロンの中の物語のひとつ、ナスタジオ・デッリ・オネスティを掲載します。
*Volgareは、当時ラテン語に対しての俗語という位置づけでした。
Terza parte - 第三部 ( イタリア語へ )
ナスタジオは松林の中で見た一件に衝撃を受けましたが、やがてそれを何か自分の為に利用出来ないか考え始めました。そして彼は、翌週の金曜日に松林で大勢の招待客と宴を催すことにしました。トラベルサリ家の人々も招いて、もちろんそこには彼の愛する娘もやってきます。
そしてその日、夜が訪れ宴も終わりに近づいた時、ナスタジオが一週間前に見た件の出来事が再び幕を開けました。そう、あのかわいそうな女性の殺戮劇の一部始終です。それは大勢の招待客の前で繰り広げられ、今回も黒衣の騎士は事のいきさつを皆に説明しました。当然のことながら、その恐ろしい話に招待客達はみな衝撃を受けましたが、中でも一番恐怖におののいていたのは、ナスタジオが愛するあの娘でした。なぜなら彼女は、自分がナスタジオにしてきた数々のむごい仕打ちのせいで、自分も死後同じ目に遭うのではないかと怖くなったのです。その夜の出来事に驚き恐れおののいた彼女は、なんと2日後の日曜日にナスタジオとの結婚を承諾したのです!
その後、あの地獄に落ちた二人の永遠の死の狩りの話が街に広まると、ラヴェンナの女性達は皆、彼女達の愛する男性に対して今まで以上に優しくなったといいます。
第四部追記に続く
日本語訳 福島かほる
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