lunedì 15 dicembre 2014

Chichibio e la gru - 鶴とキキビオ - 第三部



第三部


キキビオは馬上で恐怖に震えていました。出来ることなら逃げ出したかったのですが、そんなことは出来ません。川に着いた時、まず彼らが目にしたのは片足で立ったまま眠っている12羽の鶴でした。すぐさまキキビオは言いました。”ご主人様、昨日のご覧になったままの鶴でございます! 私が言った事が真実でございました。 鶴は一本足でございます。ご覧になってください!!” コッラド氏は答えました。”待ちなさい。今、おまえに鶴が二本足であることを見せてあげよう! “ そして鶴に近づいてこう叫びました。”オー! オー!” この叫び声で、哀れな鶴たちはもう一本の足を下ろし逃げ出しました。コッラド氏はキキビオの方に振り返り、こう迫ったのです。”さあ、どうだ? この悪党め! これでも鶴は一本足だと言いはるのかね?” キキビオは初め言葉をなくしましたが、やがてダメもとでこう答えました。”ご主人様の言う通りでございます。ですが、昨夜ご主人様は鶴に”オー オー “と叫びませんでした。もしなさっていたならば、昨日の鶴も間違いなくもう一本の足を下ろしたことでしょう。そうしたらもう片方の腿も現れたはずです! ” この言葉を聞きながらコッラド氏はおもわず笑い出してしまいました。料理人として優秀なだけでなく、機知に富んだ会話の出来るキキビオを罰する気が失せてしまったのです。こうしてキキビオは主人からなんの咎めもなく許されたのでした。



battuta di spirito 理知的で皮肉な短いセリフ、機知に富んだ会話

                                                              訳 福島かほる

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